お酒
品種の違いを楽しみたい! ブドウの品種で飲み比べする赤&白6本セット
2020/12/10

おいしいワインが飲みたい! でも、何をどう選んで良いかわからない…。
そんな悩める方のために、毎月、その時期にぴったりのワインを厳選し、飲みごたえ大満足のセットにしてみました。
なぜこれらを選んだのか?ワイン愛にあふれるスタッフがたっぷり語ります!
1.どちらがタイプ? メイク上手でスタイル美人 or ナチュラルなスマート美人

こんにちは、東です。
突然ですが、ワインの味わいを左右するのは何だと思いますか? 生産地? 作り手? ヴィンテージ? 確かにこれらも関係するのですが、一番影響があるのはブドウの品種。そう、素材がカギなのです。というわけで、今回の6本はすべて品種が異なります。といっても、ワイン初級者の方でも一度は耳にしたことがある定番ばかり。ぜひ“基礎編”として品種の違いを楽しんでみてください。
では白からご紹介を♪ 白といえばやっぱりシャルドネ。今回セレクトした「シバリス グラン レセルバ シャルドネ」は、チリのシャルドネによくあるトロピカルフルーツ系の香りでありながら、フレンチオークの樽で熟成させているため、厚みのあるリッチでふくよかな味わい。

女性に例えるなら、メイク上手でスタイル美人なセレブ系美女といったところでしょうか。ボトルのキャップも真っ赤な口紅を思わせます(笑)。
シャルドネと並んで白の定番といわれるのがソーヴィニョン・ブラン。「デボン アロワ ソーヴィニョン・ブラン」はカクヤスでしか手に入らない逸品です。ハーブやシトラスを思わせる爽やかな香りで、スッキリ系の上品な味わい。女性に例えるなら、メイクをしなくてもキレイな、育ちのよいお嬢さん。スタイル美人というよりほっそりスマート美人という感じ。ワイン業界ではワインの味を表現するとき、こんなふうに人に例えることが多いのですが、こちらの2本は実に対照的な“二人”。どちらも魅力的ですが、みなさんはどちらがタイプ?

シバリス グラン レセルバ シャルドネ
- 原産国
- チリ レイダ・ヴァレー
- 種類
- 白、辛口
- ブドウの品種
- シャルドネ100%

デボン アロワ ソーヴィニョン・ブラン
- 原産国
- フランス ガスコーニュ地方
- 種類
- 白、辛口
- ブドウの品種
- ソーヴィニョン・ブラン100%

2.デートするなら、筋トレ好きのがっつり体育会系or 音楽好きのおだやかインテリ系?


次は赤をご紹介♪ 赤といえば、カベルネ・ソーヴィニョンが大定番。そこで今回はアルゼンチンの「トラピチェ オークカスク カベルネ・ソーヴィニョン」を選びました。
このワインに使われているカベルネ・ソーヴィニョンはアンデス山麓で収穫されたもの。標高が高いため日照量に恵まれ、しかも年間降水量も極めて少ないことから、ブドウ栽培に適した場所といわれています。雨が多いと、ブドウのうまみがぼんやりしてしまうのです。その点、こちらのワインは凝縮された果実味で、力強いフルボディ。タンニンもしっかりあり、これぞ赤ワインという味わいです。アメリカンオークの樽で熟成させているので、フレンチオークの樽に比べてパワフルな樽香が感じられます。男性に例えるなら、頼りがいのある体育会系の営業マンかな?(笑)。


そんなどっしりしたフルボディよりもちょっとやわらかめの赤がお好みの人には、「モンダヴィ ウッドブリッジ ピノ・ノワール」がおすすめ。カリフォルニアの広大な畑で、太陽の光をたっぷり浴び、海からの涼しい風を受けて育ったピノ・ノワールは、糖度が高く、フルーティーでなめらか。こちらはフレンチオークの樽で熟成させているので、上品でエレガントな味わいのワインに仕上がっています。男性に例えるなら、音楽が趣味の繊細なインテリ系。シルバーの細いフレームの眼鏡をかけてそう。なーんて、どんどん妄想が膨らみます(笑)。


トラピチェ オークカスク カベルネ・ソーヴィニョン
- 原産国
- アルゼンチン クージョ
- 種類
- 赤、フルボディ
- ブドウの品種
- カベルネ・ソーヴィニヨン100%


モンダヴィ ウッドブリッジ ピノ・ノワール
- 原産国
- アメリカ カリフォルニア
- 種類
- 赤、ミディアムボディ
- ブドウの品種
- ピノ・ノワール主体




3.由緒正しき家柄の天真爛漫女子と、あと一人はどんな人…?


最後は、赤の品種を2つご紹介♪ ひとつはメルロを主体につくった「ラ ベリエール ルージュ」。フランスのボルドーで有名な「五大シャトー」のひとつを所有するバロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド社が手がけたカジュアルワインです(「五大シャトー」については、9月号で詳しくご紹介しているので、そちらもぜひご覧ください)。フルボディではあるものの、丸みのある、やわらかな口あたりで、タンニンもおだやか。そしてとってもフルーティー。肉料理とはもちろん相性抜群ですが、牛肉よりも豚肉のほうが合う感じ。女性で例えるなら、由緒正しき家柄の出身でありながら、フレンドリーな性格で誰からも好かれる天真爛漫女子のイメージ。ちなみに、カクヤスでしか出合えない掘り出しものなので要チェック!


もうひとつは、プリミティーヴォという品種を使った「トゥルッリ プリミティーヴォ サレント」。聞き慣れない品種かもしれませんが、アメリカのカリフォルニア州で栽培されているジンファンデルと同一品種。ジンファンデルといえばピン!と来る人も多いかもしれません。濃厚な果実味が特徴の品種ゆえ、このワインも果実味とうまみがギュッと凝縮されて、すごくおいしい! 今回の6本の中で、私がイチオシする1本です。心地よいタンニンで、うっとりするような余韻が長く続きます。ラベルがお洒落なのも心憎い? 私はミートソースのパスタと一緒にいただきましたが、ステーキでもピザでもジンギスカンでも、濃厚系&肉系ならどんな料理とも好相性。
人に例えるなら、うーん、これは難しい! ぜひ自由な発想で人物像をイメージしてみてください♪


ラ ベリエール ルージュ
- 原産国
- フランス ボルドー
- 種類
- 赤、フルボディ
- ブドウの品種
- メルロ主体


トゥルッリ プリミティーヴォ サレント
- 原産国
- イタリア プーリア
- 種類
- 赤、フルボディ
- ブドウの品種
- プリミティーヴォ
※アメリカのカリフォルニア州で栽培されているジンファンデルと同一品種








ソムリエ:東理紗子
2007年に「ワインエキスパート」、09年にはチーズの資格「コムラード オブ チーズ」、16年に「ソムリエ」を取得。19年には日本ワイン検定1級に合格し、「日本ワインマスター」に認定された、ワインをこよなく愛する一人。2014年からはじまった国際ワインコンペティション「サクラアワード」では第1回目から審査員を務めています。