連載企画
ノンアル大躍進!お酒好きの5割が日常的に飲用。その魅力を徹底調査。― カクラボ調査隊 酒呑みに聞いた今どき事情
2022/10/20
近年、「ソバーキュリアス」や「スマドリ」など、あえてお酒を飲まないことを表すワードが登場し、飲み方にも多様性が広がっている。
こうしたなか、注目されているのがノンアルコール飲料(以下、ノンアル)だ。家飲みであれ、外飲みであれ、その種類は増えている。
そこでカクラボ調査隊では、カクヤスメールマガジンに登録しているユーザーを対象にノンアルについて大調査。果たして、愛飲家たちはノンアルを飲むのか、飲まないのか。その本音を聞いてみた。
ノンアル飲用理由は運転のため
以前、このコラムでも取り上げたことのある「ソバーキュリアス」。「Sober(しらふ)」と「Curious(好奇心が強い)」を組み合わせた造語(※1)で、お酒を飲める人が「あえてお酒を飲まない」もしくは「少量しか飲まない」という考え方やライフスタイルを意味する。提唱者は英国出身のジャーナリストだ。
一方、「スマドリ」すなわち「スマートドリンキング」は、アサヒビールが飲み方の多様性を提案するもので、「自分の体質や気分、シーンに合わせて、適切なお酒やノンアルコールドリンクをスマートに選べる時代をめざす」ことを表現している。
こうしたワードが浸透しつつある今、お酒の好きな人が多いカクヤスユーザーはノンアルを飲むことがあるのか。
結果は、「飲んだことがない」が10%にとどまり、ノンアルの飲用経験者は90%に上った。このうち「よく飲む」は14%、「たまに飲む」は35%で両者を合わせると49%。実に半数近くが日常的にノンアルを飲用していることがわかった。
では、どんなシーンで飲むのかを複数回答可で聞いてみたところ、最も多かったのは「運転しなければならないとき」で45%、次いで同率2位が「晩酌」と「休肝日をつくりたいとき」で43%だった。
そもそもノンアルが誕生した背景には、飲酒運転撲滅のねらいがある。とくに飲酒運転の厳罰化が進んだ2007年の道路交通法改正以降、さまざまなノンアル商品が発売され、市場は一気に拡大した。
最近では、健康志向の高まりもあって、あえてノンアルを選ぶ人もいる。まさにそれを実証するアンケート結果となった。
※1 いま話題の「ソバーキュリアス」愛飲家もあえてお酒を飲まないときがある! 4割以上が経験 ― カクラボ調査隊 参照
進化し続ける多種多彩のノンアル
では、カクヤスユーザーはどんなノンアルを飲んでいるのか。市販品、自作、飲食店のメニューを問わず、おすすめのものを推し理由とともに聞いてみたところ、いろいろな名が挙がった。
まず、「アサヒ ドライゼロ」。理由の多くは「ビールの味に近いから」。 「アルコールの入った『アサヒ スーパードライ』と大差なく味わえると思う」「ビールを飲んでいるつもりになれる」etc.
一方、健康志向という点で「サントリー オールフリー」を挙げる人も多かった。 「身体に良さそう」「プリン体・カロリーカットで味が好き」「いろいろとノンアルを飲みましたが、一番おいしく飽きませんでした」という人も。
「サントリー オールフリー」にはスタンダードタイプ以外に2種あるが、それぞれについても推す声があった。
例えば、「内臓脂肪を減らしてくれる」という理由で「からだを想うオールフリー」を、「ライムの香りとほろ苦さが好み」という理由で「オールフリー ライムショット」といった具合だ。
ほかには、「ホップの風味がさわやかで飲み飽きない」という「キリン グリーンズフリー」をはじめ、ドイツの「クラウスターラー」やベルギーの「ヒューガルデン ゼロ」など海外ブランドを推す人もいた。
ビールテイスト以外では、「ゆず味でおいしい。食事も選ばない」という「アサヒ スタイルバランス プラス ゆずサワーテイスト」、「甘くて飲みやすくておいしい」という「サントリー のんある気分」、「ジュース感覚」という「チョーヤ 酔わないウメッシュ」などが挙がり、いかにノンアルは多種多彩で進化しているかうかがわれる。
こんなノンアルがあったなら…
今回、ノンアルにまつわるエピソードを募ったところ、さまざまな声が寄せられた。
まずは、ノンアルを初めて飲んだときの感想を。 「味はビールなのに飲んでも酔わない感覚がとても不思議でした」「初めの頃は、飲みながら運転するのがやっぱりドキドキでした」
ビールに近い味にどんどん進化しているだけに戸惑う人は少なくない。なかには、「ノンアルでも酔った気分になる」という人もちらほら。
「ノンアルコールのはずなのに、酔った錯覚に襲われるときがある。味と香りの認識ってすごいと思っています」「ノンアルを飲んでいた友人がお酒を飲んだように、顔が赤くなったことがある」etc.
また、ノンアルが存在してよかったと喜ぶ声も。 「父の退院祝いで、お酒はダメだったのでノンアルコール飲料で乾杯しました」 「初めての子育てで忙しい中、妻と一緒にノンアルコールビールといろいろな清涼飲料水でノンアルビアカクテルをつくり、一日の疲れを癒していました。なかでもノンアルレッドアイがいちばんのおすすめです」
なかには、「ノンアルに慣れるとアルコールで酔うことが不安になる」という人も。
ノンアルを歓迎する声がある一方で、飲んだことがない人や、飲んだことがあっても、その後は飲んでいない人もいる。そこで、どんなノンアルであれば、飲んでみたいかを聞いてみたところ、出てきたのは…。
「ノンアルコールウイスキー」「ノンアルコール日本酒」「ノンアルコール黒ビール」 「肝機能の改善効果のあるものや、CBDやGABAを含んだリラックス効果のあるもの」 「オーガニック果汁を使用したカクテルのノンアルコール版」etc.
たしかに納得のアイデアばかり。これらが実現すれば、もっとノンアルユーザーは増えるかも?
【調査方法】インターネット調査
【調査対象】カクヤスメールマガジンに登録しているユーザー
【調査期間】2022年9月22日(木)~9月25日(日)
【回収サンプル数】265
※構成比の数値は小数点以下第2位を四捨五入しているため、個々の集計値の合計は必ずしも100%とならない場合があります。