連載企画
わが家の防災対策。非常持ち出し袋に「お酒」派約5割。その理由は?― カクラボ調査隊 酒呑みに聞いた今どき事情
2022/08/25
近年、地震や豪雨など甚大な被害をもたらす自然災害が多発している。自然災害は、いつ、どこで起きるかわからない。だからこそ、いざという時のために日頃から備えておくことが大切だ。
そこで、9月1日の「防災の日」にちなみ、カクヤスメールマガジンに登録しているユーザーを対象に防災意識をアンケート調査。具体的にどんな備えを行っているか、わが家の防災対策について聞いてみた。
災害への備えをしている人は8割以上
世界でも自然災害の多い国として知られる日本。その特有の地形により、昔から地震や津波、火山噴火、台風、洪水、土砂災害、雪害などさまざまな被害を被ってきた。最近では地球温暖化などの影響もあって、豪雨による大規模災害が頻発している。自ずと防災への関心が高まるのも当然のことといえるだろう。
実際、今回のアンケートでも8割以上の人が、程度の差はあれ、家庭において災害への備えをしていることがわかった。
一方で「備えをしていない」と回答した人は19%で、一定数いることも判明した。そこで、防災対策をしていない理由を複数回答可で聞いてみたところ、最も多かったのは「必要性を感じているが、対策にまで至っていない」66%だった。次いで「防災グッズを置くスペースがないから」23%、「現実感があまりないから」20%と続く。
自然災害に対する備えは必要と思いつつも、なかなか行動にまで及んでいないのは、おそらく自然災害が“自分事”にはなっていないからと推測される。
しかしながら、「天災は忘れたころにやって来る」という言葉があるように、自然災害はその悲惨さを忘れたころに再び起こるもの。いつ自分の身に降りかかってくるかわからない。それゆえ、当事者意識をもって普段から備えておきたいところだ。
わが家の防災対策を見直す人は8割以上
とはいえ、何をどう備えたらよいのか。悩める人も少なくないだろう。そこで「備えをしている」と回答した人に、どんな防災対策をしているのかを複数回答可で聞いてみた。
最も多かったのは「水や食料、電池、生活用品の備蓄」で88%に上った。次いで、「非常持ち出し袋の用意」55%、「ハザードマップなどで避難場所の確認」47%、「家具の転倒防止や消火器の用意など家の点検」32%と続く。
なかには、「連絡用の無線機を購入」や「大容量のモバイルバッテリー常備」を挙げる人もいれば、「キャンピングカーに避難道具一式常備」という防災の達人のような人もいた。
こうした備えをしている人たちに対して、自らの防災対策を見直すことはあるかを聞いてみたところ、程度の差はあるものの、8割以上の人が「見直している」と回答した。
確かに、食料には消費期限がある。いざという時に期限切れでは備蓄の意味がない。
水についても然り。飲料水は1人あたり1日3リットル、最低でも3日分が必要といわれているが、2リットルボトルで用意しておくと、いったん開けてしまうと飲みきれず、時間が経つと衛生的な問題も出てくる。そのため、500ミリリットルのボトルと組み合わせて用意したほうが便利というアドバイスもある。(※1)
防災対策は一度講じたら終わりではなく、定期的に見直し、命を守るためにアップデートしていくことが大事だ。
※1 2Lだけでなく、500mlも!? 災害発生後は「水」の需要急増! もしもに役立ついつもの備え ― カクラボ調査隊 参照
非常持ち出し袋にお酒を入れる派は45%
今回、防災意識に関するアンケート調査を実施するにあたり、お酒が好きなカクヤスユーザーだからこそ聞いてみたい質問も加えてみた。それは、「災害時に持ち出す非常持ち出し袋にあと一つ何かを入れることができるとしたら、お酒を入れたいか?」である。その理由も含めて聞いてみたのだが、なんと「はい」は45%、「いいえ」は55%という結果に。
10ポイントの差を付けて「いいえ」に軍配が上がったが、その理由は実にさまざま。
「持ち出したい気持ちはありますが、やはり生き残るためにはお酒よりも必要なものがあると思う」「誰でも飲めて、使い道の多い水が良いと思います」「子どもがいるので、子どもたちに必要なものを一つでも入れたい」「缶詰など非常食や衛生用品を優先したい」etc.
なかには、お酒を飲むといろんなリスクがあるから、という回答も目立った。
「何かあったときにお酒を飲んでいては対応できない。そもそもお酒があったところで飲む気持ちになるのか。周りの目も気になる」「なんとなく不謹慎な感じがする」「トイレの心配」「飲酒は脱水や危機意識の低下などを招く」etc.
また、お酒が好きだからこそ、「気持ちに余裕があるときに楽しみたい」「持ち出すことを考えるより安全に保管できる環境をつくりたい」という回答もあった。
一方で、「はい」と回答した人たちの理由として機能性を訴えるものが多かった。
「ウイスキーやジンなどのアルコール度数の高いものは気付け薬にも消毒にも使える」「冬季の場合、体があたたまるから」「ウイスキーやブランデーは燃料にも使える。負傷などの緊急時、一時的に麻酔にも使用できる」etc.
また、情緒的な面でのメリットを挙げる人も。
「飲む・飲まないに関わらず、酒を持っていたら心のゆとりになる」「避難生活になった場合のストレス解消に」「避難している方々とのコミュニケーションに使える」etc.
もちろん、シンプルにお酒が好きだからという人も。
「不謹慎と思われても入れておきたい」「僕にとってお酒(ウイスキー)は命の次に大事」etc.
入れるか、入れないか。それぞれにもっともな理由があり、防災対策における正解はない。だが、最後にこんな2人のコメントを。
「3.11の時、みんなが寝た後に飲んだビールに救われた」
「東日本の震災経験者なのですが、アルコールを利用してのリラックスも必要だった」
生き延びた先にある現実と向き合うには、お酒の力も必要なのかもしれない。
【調査方法】インターネット調査
【調査対象】カクヤスメールマガジンに登録しているユーザー
【調査期間】2022年7月26日(火)~7月31日(日)
【回収サンプル数】628
※構成比の数値は小数点以下第2位を四捨五入しているため、個々の集計値の合計は必ずしも100%とならない場合があります。